連載:なぜ、こんな時代になったのか ――人間心理から読む2026年の地図
**第2回 / 2026-06-03**
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**この連載の軸:見えるものと見えないもの、どちらに寄りすぎても見失うものがある**
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数字が示すもの
政治家を信頼する日本人は、20%だ。
残りの80%は「10年後、生活は今より苦しくなる」と答えた(※1)。
これは悲観ではない。観察だ。制度への信頼が失われるとき、人は内へ向かう。組織より個。未来より今日。根拠より感覚。社会全体が、静かに、そして確実に内向きになっている。
易経が3000年前に見ていたこと
易経は、この状態を「天地否」と呼んだ。天は上へ、地は下へ。交わらない。陽が制度・権威へと吸い上げられ、陰が民・現場へと沈んでいく。上下が背を向け合う構造だ。
そして天地否の時代に、必ず起きることがある。
行き場を失った陽のエネルギーが、別の器を探し始める。大きな宗教組織が求心力を失い、小規模で実践的なコミュニティへと人が集まる動きが、世界各地で起きている。制度が信じられないとき、人は「信じる力」そのものは失わない。ただ、その力を向ける先が変わる。
天地否から地天泰へ
経営も同じ構造の中にある。
大きな制度や市場の流れに乗ろうとする戦略は、天地否の時代には機能しにくい。問われるのは、自社の半径の中で何が信じられるかだ。不安を抱えたまま状況を待つのではなく、行動し続けることで自分の軸をつくる。その軸が、人が留まる理由になり、信頼の回路を再び開く。
易経では、これを地天泰と呼ぶ。陰陽が交わり、上下が動き始める状態だ。しかし泰が始まるのは、上からではない。乾(陽)の力は下から芽生える——小さな企業の中に、一人の人間の確信の中に、息吹として動き出す。制度が信頼を取り戻す日を待つのではなく、自分の半径の中に泰を築き始めること。泰は、待つことでは来ない。それぞれが勇気を持って行動し続けてはじめて泰が生まれる
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**出典・参考資料**
※1 NIRA総合研究開発機構「生活者の意識に関する調査」(2025年3月、n=1,552)

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